ゆるっと生きるシンママのつぶやき

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鬼滅の刃で考える日本語の美しさ

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鬼滅の刃って海外でのタイトルはどうなってるんだろう?って、ふと思いました。

 

海外ファンもいるはず

とベビチーノが観ているYouTubeの動画に英語字幕が出ていて気付きました。

更にクリスマスプレゼントを探している時に〔この商品は海外からの輸入品です〕と言う説明を読んで「お、それなら自分で海外から買えば良いんじゃ?」と気付いて、英語版のタイトルを調べてみました。

 

情緒のかけらも無いタイトル…

鬼滅の刃〕の英語版タイトルは… ドゥルルルルルル(発表前の音楽)。

DEMON SLAYER(デーモン スレイヤー)です。

…………(°Д°)…………

なんかちと(いやかなり)原作のイメージと離れているような。パッと見だと、もはや〔刃〕は存在すらしてないやんって言う。

demon : 悪魔、悪霊、鬼、鬼神

slayer : 殺害者

単語だけだと上記のような意味です。

ちなみにkillerとの違いは〔It means “ someone who kills a person or animal in a violent way”〕と説明されているように暴力的な方法で殺害するって言うニュアンスが本来の使い方だと思っていたので、最初はギョッとしました。

でも落ち着いて考えると、dragon slayerと言う言葉はドラコンを殺せる武器や英雄を意味する事を思い出しました。demon slayerは鬼を殺せる武器や英雄と言うニュアンスで解釈出来ますね。そう考えると、このタイトルでも〔刃〕まで含んでいると気付けます。

しかし情緒が無いよな…と苦笑いです。上手く言葉に出来ませんけど、〔刃 : やいば〕と言う言葉には〔刃 : かたな〕や〔剣 : けん〕〔剣 : つるぎ〕とは違うニュアンスがあるように思います。

なんと言うか、情念と言うか心のひだまで感じる事が出来ると言うか。

鬼滅の刃のは〔鬼に最愛の家族を奪われ、唯一生き残った妹を鬼にされた人物が主人公の物語〕です。

そう考えると他の言葉ではなく〔刃 : やいば〕と言う言葉が適切だし、この言葉でないとダメだと言う気がしませんか?

 

日本語は豊かな言葉

言葉から情景を思い浮かべる言語、言葉から背景を読み取る事が出来る言語だと思っています。

例えば色。オレンジより橙色の方が"柑橘類のあの色"と果物を思い浮かべやすいし、なんなら柑橘類の実る光景まで思い浮かべる事が出来る気がします。

萌木色(もえぎいろ)と来た日には、鮮明に春先の若葉の光景を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか? 英語でイエローグリーン、ライムグリーンと言われたら、萌木色で思い浮かべる情景に繋がる事はないと思います。

もちろん日本語だけが特殊、すごいって言う事ではありません。私が日本語のネイティブスピーカーだから起こる事なのかもしれないです。似たような特徴の言語はきっと他にもあるとも思います。私は世界中の言語に精通している訳ではないですから。

でも以前にどこかで日本人は言葉を発する前に活性化する脳の位置が欧米人と違うと言うのを何かで読んだ覚えがあります。日本人は言葉を発する前に漢字を思い浮かべるのだとか。そう考えると私の考えも間違ってはいないかな?と密かに思っています。

 

音の響きも美しい

曙(あけぼの)は英語で言うとdawn(ドウン)です。朝焼けと言うとsunrise(サンライズ)。こんな感じで、英語と比較すると日本語は圧倒的に美しく、音の響きも美しいと思っています。

オーストラリアで英語で生活する日々を過ごしていて、どんどんこの辺がストレスになっていたように思います。

英語って基本的に自分が中心に来る話し方になるな…と気付いてから、特にそうしでした。

日本語なら「◯◯しましょうか?」と言う表現が、英語だと「Do you want me to◯◯?(直訳すると、私に◯◯して欲しい)」となるんですよね。丁寧な言い方もありますけど、日常生活ではこう言う表現の人がほとんど。

 

きれいな日本語を残したい

普段は熊本弁(両親共に擬き熊本県民です)、博多弁、筑後弁(両親が熊本から引っ越して来た今の実家はご近所に圧倒的に筑後出身の人が多いため)のミックスで訛り全開で喋っています。

方言もまた各地の特長があって良い言葉だな、と思っています。今はコテコテの関西弁の上司が二人いるのですけど、彼等のやり取りを聞く事が楽しみです。

でも出来るだけ、方言ではない美しい日本語も使おうと頑張るようにもしています。意識して使わないと、今どきのカタカナ言葉に負けてしまう気がしています。あれ、変な言葉ですよね…本来の意味と違っていたり、妙な短縮系で英語として使うとおかしな事を喋ってしまう事になりますから。

 

英語がペラペラなら通訳・翻訳出来る?

これ、勘違いしている人がもの凄く多いですよね。

英語さえペラペラならOKじゃありません。むしろ豊富な日本語を身に付けていないとお粗末な訳しか出来ないんです。

私はネイティブと同等に渡り合えるから凄い!とは全然思っていなくて、超カタカナ英語でも意思の疎通が出来て中身のある事を話せる事の方がずっと大事だと思っています。

ベビチーノにはバイリンガルトリリンガルよりも、しっかりと考える事が出来る人・人とコミュニケーションが上手に取れる人になって欲しいと思っています。なので日本語オンリーで接しています。

英語は私が中学のクラス最低点スタートでシドニー在住まで行けたので、後からでも何とでもなると思っています。

こう言う考えなので、幼児期からの早期英語教育には反対です。英語なんて、そのうちAIだのなんだので喋れなくても何とかなると思っています。現に今年のシンガポール旅行ではホテルでアプリを使って問題なくやり取りしている日本人男性を見かけました。

豊かな日本語を学ぶ事はすごく大事だと鬼滅の刃と言うタイトルを通じて久々に思いました。